2015年5月27日

失敗学⑦『トラブル発生、さあ、どうする?』

久しぶりの失敗学、いよいよこのシリーズの佳境と言える章です。

 


2003年12月、アメリカでBSE問題が発生し、アメリカ産牛肉の輸入禁止が一斉
に行われたことは記憶に新しいところです。
あの時、様々な食産業が痛手を食らったと思いますが、一番直撃を受けたのは何
と言っても牛丼屋さんではないでしょうか?
そこで、もともと牛丼ファンであった畑村先生は、もしも自分が吉野家の社長
だったら・・・と、勝手に解決策を模索しだしました。

 


畑村先生は、次のような手法でアイデアを構築し並べ替え、頭の中を整理してい
きました。
①思考平面図(自分の頭の中にあるものを全部吐き出してみる)
②括り図(似たもの同士を括り、グループごとに名前を記入する)
③思考関連図(グループ(概念)同士の繋がりを繋いでみる)
④思考展開図(改めて課題を見直し、解決するための構造を展開してゆく)

 


そして、当時、これを持って実際に吉野家の社長に会いに行ったそうです。
これを見た吉野家の社長は、「なんで私の頭の中がこんなにわかるの?」と仰天
したそうですが、そこには自分も考えていなかった一つのヒントがあり まし
た。それが「味の記憶を保つ」という項目でした。
吉野家の社長は、この言葉から、一年後の2005年2月、「一日だけの牛丼復活
デー」に踏み切り、開店即売の大フィーバーになったばかりか、しっ かりと牛
丼ファンの心を呼び止め、長いピンチを乗り切ったのです。

 


この思考展開の手法が、大変わかり易く、早速、クレーム対策や作業改善のツー
ルとして、活用させて頂いています。
いわゆる「なぜなぜ分析」とも近いですが、関連性を収斂していく作業が、より
実効的で使い易いところだと思います。
我々製造業では「5S」が重要、と誰もが思ってることでしょうが、頭の中も
5Sが重要だと再認識させられる勉強会でした。

 

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