【述懐】鋳物業一筋【取締役工場長 魚野 正人】part4

2017年07月13日

良き諸先輩と上司

 

 入社後、すべての職場・業務にひと通り携わってきた。そのころの職場は、口数の少ない職人気質(かたぎ)の先輩たちが、黙々と難易度形状の製品を作り上げていた。仕事は、見て覚え盗んで覚えるしかないと思い、早く一人前になろうと他の人よりも一個でも多く作ろうと現場作業に邁進(まいしん)した。

 

 ある時、砂型新規品では、鋳造時の(なか)()のガス欠陥で不良が出た。新規品の木型検査を私が行った際に、鋳造時に発生する中子のガスが心配と感じていた。悪い予感が製品に現れたわけだ。寺島工場長(現顧問)が、「魚野!何でこうなったかわかるか?」と聞いてきた。「中子のガスが原因です」と返答すると、すかさず叱責(しっせき)された。「わかっていたならば報告しろ!」。私はハッとした。

 

 金型鋳造ではうまく行かない時、石丸社長(現相談役)が、「急がば回れだよ。原理原則に基づいて塗型を塗り直せ」と言ってくれた。早く鋳造することばかり考え、品質も能率も落としていた。報・連・相の必要性を痛感した。それ以降、現在は工場長として現場の仲間には、報・連・相の大切さを伝えることと、改善意欲を高めるために「楽することを考えろ」と言っている。楽するといってもサボることではなく、無駄を省きまさしく楽をしようということだ。その結果、コストを意識し、お客様の求める良い製品を提供できると私は思っている。