2020年12月19日

鋳造欠陥『酸化物』

アルミニウムはとても酸化しやすい物質で、溶湯中に酸化物(酸化被膜)が生成します。
酸化物が起因となる製品不良(加工面に巣)も一般的に多く、鋳物屋泣かせの要因の一つです。

酸化物とは、溶湯成分(Al、Mg)が酸化したもので、加工面に大小の巣として現れてしまいます。
ヒケ巣の中を拡大鏡で観察すると表面に異物(酸化物)が付着している場合が見受けられます。

酸化物は、原材料(インゴット)を溶解する際に大気中の水分や、溶解具等の水分が起因して生成されたり
購入する原材料(インゴット)製造過程でも生成されてしまうので、溶解直後のアルミ溶湯の中は
酸化物が多く含まれています。

その酸化物や水分(ガス)を除去する為に、溶湯処理が非常に重要な工程になります。
ここで如何にしてキレイなアルミ溶湯を作るかが、品質の良いアルミ鋳物を作る
最大のポイントとなると言っても過言ではありません。

当社でも長年苦しんでいる課題ですが、単に機械に頼るだけでなく
人間の‟五感を働かせたひと手間”を入れてキレイな溶湯・巣のないアルミ鋳物作りの
研究 を日々行っています。

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