2024年2月10日

「あたりまえ」

当社の創業者(私の父)の弟で、一時期は当社の営業部長として活躍した叔父の岡田稔氏が、昨年12月に他界し、先日四十九日法要が営まれました。
下戸ですが賑やかな場が好きで、ユーモラスなセンスの良い先輩でした。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

近親者のみの家族葬で慎まやかな会葬でしたが、法要での僧侶の説法がとてもわかり易く、心に響く内容でしたので、少しご紹介したいと思います。

能登半島地震の経緯もふまえ、遺族と被災者のお気持ちになり代わり、以下の詩を紹介(朗読)されました。

作者は、45年前、1歳の長女と奥様のお腹の中にまだ見ぬ子を残し、癌と闘うも32歳の若さでこの世を去った内科医 井村和清(1947~79)です。
氏が、亡くなる20日前に書いた詩だそうです。
目頭が熱くなり、深く考えさせられる‟メッセージ”です。

あたりまえ(井村和清)

こんなすばらしいことを、みんなはなぜよろこばないのでしょう
あたりまえであることを

お父さんがいる、お母さんがいる
手が二本あって、足が二本ある
行きたいところへ自分で歩いてゆける
手をのばせばなんでもとれる
音が聞こえて声が出る
こんなしあわせはあるでしょうか

しかし、だれもそれをよろこばない
あたりまえだ、と笑ってすます
食事がたべられる
夜になるとちゃんと眠れ、そして、また、朝がくる
空気をむねいっぱいにすえる
笑える、泣ける、叫ぶこともできる
走り回れる
みんなあたりまえのこと

こんなすばらしいことを、みんなは決してよろこばない
そのありがたさを知っているのは、それを失くした人たちだけ
なぜでしょう
あたりまえ

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