2015年4月14日

失敗学⑥『偽のベテラン、真のベテラン』

昨日、今日とISOの審査でした。
今回もいろいろとお褒め頂いたり、貴重なご指摘も頂いたりと有意義な2日間で
した。
お陰様で無事終えることが出来ました。

 


久しぶりの失敗学、今回は「偽のベテラン、真のベテラン」という興味深い題材
です。
本編では、2002年のみずほ銀行統合時に生じたシステム不良による決済不能
トラブルを例に説明されます。
それは、3行のシステムを接続して運用する場合、トラブルが起こり易いことは
十分に予測されたにも関わらず、十分な「仮想演習」を行わず見切り発 車させ
てしまった経営トップの責任を厳しく言及しています。

 


当社も含め現代のものづくり企業は、マニュアルや手順書があって当然で、
「その通り作業しなければならない」とか「標準書がないと仕事ができな い」
など、どこかマニュアル至上主義の様な風潮があります。
マニュアルは確かに必要だが、そのマニュアルが完成するまでの各種要因や、そ
れらの因果関係等も知らずに仕事をしてしまうと、もし何らかの外的要 因に
よってトラブルが生じた場合に対処方法が全く分からず、被害が拡大ししてしま
うケースが多い...と畑村先生は指摘します。
言われてみるとその通りの様に思います。

 


当社は溶けたアルミ溶湯を扱う所謂職人性の高い仕事を生業にしています。
湯口に注湯する作業は簡単そうに見えますが、注ぎ方の僅かな違いで製品品質に
影響が現れてしまいます。
どんなにマニュアル化しようとしてもカバー出来ないのが現実です。やはり作業
者の力量が問われます。
コツは、溶湯や型の状態を加味し、上手く湯流れの『イメージ』が出来るかどう
かです。
そのための「教育・訓練」がいかに重要かということを、今回あらためて気づか
されました。

 


また、ISOの審査官殿にも様々なご指導いただきまして感謝申し上げる次第です。

 

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