【発刊の辞】オカダ合金株式会社　代表取締役社長　岡田　等

当社は、昭和三十七年（一九六二）四月、父・岡田欣一（現取締役会長）と母・芳江が金沢市北安江の自宅納屋でアルミ・銅合金の鋳造業として創業しました。昭和三十九年八月に金沢市浅野本町に工場を移し、同四十九年十二月の法人化を経て、翌五十年八月にかほく市（旧宇ノ気町）の現在地に再移転し、本年で創業五十周年を迎えました。

　創業以来、二度にわたるオイルショックや得意先企業の倒産、バブル崩壊やリーマン・ショック不況という激動の経済変動を乗り切り、こうして当社が今日あるのは、ひとえに多くのお客様、取引先様、石川県やかほく市、金融機関、関係団体の皆様、そしてＯＢ・役員・社員の皆様のご支援、ご協力の賜と心から感謝申し上げます。

　私自身は昭和四十年四月の生まれのため、創業当初の父母の苦境は正直よくわかりませんが、個人鋳造所から一企業に成長するにあたり、おそらくは創業からの二十年間が一番苦しく、まさに激動の時期だったのだと本誌を編さんする過程で痛感しました。ただ、その苦しい時代も多くのお客様や勤勉な社員、とりわけ石丸相談役や寺島顧問ら、父にとってみれば力強い右腕に恵まれ支えられ、躍動的な時代でもあったと言えそうです。

　このような成長期を経て、現在のオカダ合金が存在していることは間違いありません。私自身も父母の働く背中を見て育ち、多くの諸先輩の指導を仰ぎながら、良き従業員に盛り立てられ、今日幸せな環境で仕事ができていることを素直に感謝したいと思います。

創業者である父母をはじめ、石丸相談役、寺島顧問ら諸先輩方が築いてこられた頑丈なレールの上を、今、我々が試運転しながら歩み始めたところです。次なる成長を遂げるべく、これからの長い道のりは、私を筆頭に全社員一丸となり、希望ある百年企業を目指して力強く歩み続けてまいる所存です。

　今後とも引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げて、発刊のごあいさつといたします。