2017年7月13日
【第二部:躍進編】世代交代 平成四〜十七年
しかし、市場経済は目まぐるしく変化するのが常。翌平成四年(一九九二)には、いわゆる平成不況が押し寄せた。これまで社内を牽引(けんいん)していた電子機器関連の仕事量に陰りが現れ、バブル崩壊のダブルパンチも加わって、当社の売上高は下降の一途をたどる。
平成五年(第十九期)に、父は石丸専務に社長の座を譲り、自身は会長職に就いて営業の第一線から退き、経営の立て直しを図ることになった。私の記憶では、当時、石丸専務は頑なに社長就任を拒まれていたが、父から「等が後を継げる年代になるまでの十年間だけ、何とか頼む」と懇願され、そんなやりとりの末、承諾されたようです。
そして、約束の十年が経過した平成十七年十二月、私が三十九歳で社長を引き継いだ。いずれにしてもこの厳しい時代に、当社を十年間守り抜いてくださった石丸相談役には、やはり生涯頭が上がりません。
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