2021年5月1日

社員研修(失敗学⑧「失敗を残せ」)

1985年8月12日、群馬県の御巣鷹山に墜落した日航機墜落事故。
当時、私は神奈川県川崎市のダイカスト屋さんに修行に出た1年目の夏でした。
初めての盆休みを金沢の実家で過ごそうと飛行機で帰省した日の直後の事故だっ たためよく覚えています。

空前絶後の大惨事。事故から20年後の2006年4月、羽田空港に開設された「日本 航空安全啓蒙センター」で、畑村先生は事故の壮絶さをあえて想像体験し、辛い 気持ちと向き合いながら直接的な原因と対策(設計や整備方法)を解説します。

失敗を今後に生かすためには、辛い事実や感傷を含めた失敗の記憶をできるだけ 鮮明に残すこと、即ち 「動態保存」こそが何より必要、と畑村先生の提言によ り本施設が開設されたそうです。

失敗学④「失敗は伝わらない」で解説された通り、失敗情報は伝わり難いものです。
恥ずかしながら当社の「不良品の報告」を例に言うと、「〇月〇日、〇〇 不良 が〇個発 生。原因は検査モレ(不注意)。作業指示書に履歴記載し注意喚起し た」などの様な『客観的』な報告が多い様な気がします。
不注意の原因を掘り下げていくと、もしかしたら「前日彼女と喧嘩して朝から気 分がすぐれない一日だった」ことが判断力低下の背景にあったのかもしれ ません。

つまり客観的な報告よりも、その時の作業者の体調や気分、作業の負荷状況など も含めた本当の作業者目線に立った『主観的』な報告の方が、次に行う人にとっ ては伝わり易いということです。

なるほど好きな楽曲などは、メロディーもさることながら、歌詞の中の人物と自 分とを重ならせて、つまり「主観的」に捉えているから永く覚えているのかもし れませんね。

全ての章を終え、いよいよ社内課題「アルミ鋳物(金型鋳造)の二次不良対策」 の「思考展開図」作成に取り組んでみたいと思います。

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