真夏の新兵器

残暑お見舞い申し上げます。
暑かった夏もようやく終わりに近づきました。
毎年のことながら、我々鋳物屋にとって夏季は大変厄介な時期です。
特に、弊社は金型鋳造が主ですから、作業者は、高温のアルミ溶湯と金型の間で 作業するので体力消耗が激しく大変です。

ここ数年増強した冷風扇や換気扇も多少の効果はありますが、連日の猛暑続きで は打つ手なし。
作業者も管理者も「熱中症」の脅威に怯えながらの日々を送ってきましたが、今 年は話題の「アレ」を導入したところ、思いのほか効果抜群！
「アレ」とは、そう『空調服』です。

たまたま観たＴＶ番組「逆転人生(ＮＨＫ)」でハっと気づきました。
実は数年前から試しに購入して一部の作業者に試着してみてはいたものの、あま り良い反応は得られなく、現場では「使えない」と判断されていたのです。
ところが、ＴＶ番組の内容同様、社内の一人の若手社員がこれを常時着用して おり、訳を聞くと「これ着てないと（仕事）無理っス。なんで皆着ないんや ろ？」と言うのでピンときました。
番組を観た翌日、早速社員全員分の空調服を購入し、半ば強制的に着用して貰っ たところ、反応が少しづつ変化し、中には昼食時までも着用し続ける者も現れる ほどに…

なるほど、着用していても汗はかくし、無茶苦茶涼しい！という感じはしません が、汗の量を比較すると違いは歴然。
大量の汗をかかないということは疲れ難いということで食欲も落ちない。即ち、 熱中症リスクが減るということです。
事実、この夏は一人も熱中症搬送なしで乗り切れそうです。

人間は良くも悪くも「経験値」で判断してしまいがちで、見た目や煩わしさを嫌 う習性があるようですが、「何事も試してみることが大事」という教訓を改めて 教えられたエピソードでした。