失敗学④『失敗は伝わらない』

「高き住居は児孫に和楽　想へ惨禍の大津波　此処より下に家を建てる
な」・・・これは三陸海岸の高台にある石碑に刻まれてある文字です。4年前、
あの東日本大震災による大津波でも話題になりましたが、実は、畑村先生は、そ
の更に４年前（２００７年）に全国放送（ＮＨＫ）で、石碑の下に 沢山の家が
立ち並ぶ現実に着目し、これを危惧するメッセージを送っていました。
なぜ先人が後世のために残した忠告が活かされないのか？・・・と。

解説すると、人々は皆この石碑に刻まれてある意味と津波の事実も知っていま
す。しかし、長い月日が経つうちにいつしか戒めは風化してしまいます。 つま
り、失敗情報は風化しやすく、「伝わらない」性格をもっているという訳です。
知っているけど考えない・・・理由は、①関心が薄れることと、②無関心（自分は
関係ない）、つまり学ばない。
更に、情報は欲しいと思う人以外には伝わらない、という性質があると言いま
す。うーん、深いですね。。。

さて、今回は、「ハインリッヒの法則（１件の重大失敗の陰にある３００件の
「ヒヤリ」）」を使って、職場のヒヤリ・ハットについて各職場ごとに分 かれ
て討議をし、グループ発表し合いました。
大いに盛り上がり、実に８０件にも及ぶヒヤリハットが報告され、経営者として
まさに冷やっとさせられるひと時でした。。。（汗）
しかし、新たな課題が解り、益々改善意欲が湧いてきた次第です。頑張ります！